26日のW杯予選 平壌での開催中止 理由は日本の伝染病?「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」とは

日本サッカー協会の田嶋幸三会長は21日、ワールドカップ(W杯)アジア2次予選で日本代表が北朝鮮代表と対戦するアウェー戦(26日)の平壌での開催中止を明らかにした。北朝鮮が平壌で開催できない意向を示していると複数の関係者が明らかにしていた。北朝鮮では日本の「悪性伝染病」が報じられており、日本で報告数が増えている劇症型溶血性レンサ球菌感染症を警戒した防疫上の措置とみられる。

劇症型溶血性レンサ球菌感染症の現状と病態について

劇症型溶血性レンサ球菌感染症、別名「人食いバクテリア」として知られる疾患は、近年、その患者数が過去最多を更新しています。2023年の報告では、国内から速報値で941人の患者が確認され、これは以前の最高記録だった2019年の894人を上回り、統計を取り始めて以来の最多となりました。

病態

この感染症は、主に「A群溶血性レンサ球菌」によって引き起こされます。感染すると、手足の壊死や多臓器不全などが起こり、急激に症状が悪化して死に至ることもあります。30歳以上の成人に多く見られ、特に糖尿病などの合併症を持つ人は感染しやすく、また重篤化しやすいとされています。しかし、それ以外の人でも感染する事例は報告されており、初期症状は発熱や喉の痛みなど、風邪と見分けがつきにくいため、異常を感じたら速やかに医療機関を受診することが推奨されます。

流行状況

2023年7月以降、日本国内で特に50歳未満の患者が増加しています。この時期には、英国で流行した病原性・伝播性が高いUK系統株が国内で初めて確認されたとも報告されています。公衆衛生対策として、臨床医への適切な診断・治療・報告の推奨や、一般市民への感染予防策の啓発、有症状時の早期受診の推奨が必要とされています。

予防と対策

劇症型溶血性レンサ球菌感染症は重篤な経過をたどるため、早期発見・早期治療が重要です。基本的な感染症予防策、例えば手洗いやうがいなどを基本に、異常を感じたらすぐに医療機関を受診することが推奨されています。この感染症に関する情報は日々更新されています。公衆衛生の観点から、正しい知識を身につけ、適切な予防と対応を心がけることが重要です。

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