概要
2023年9月、兵庫県宝塚市の宝塚歌劇団に所属していた25歳の女性劇団員が亡くなるという悲劇が発生しました。女性はマンション敷地内で倒れているのが発見され、兵庫県警は自殺と見ています。遺族は、女性の死に長時間労働と上級生からのパワーハラスメントが関係していると主張していました。
当初、歌劇団の調査ではハラスメントは確認できなかったとされましたが、遺族側はLINEの送信記録などを証拠に、少なくとも15件のパワーハラスメントがあったと主張しました。その結果、2024年1月に歌劇団は態度を変え、ハラスメントの存在を認め、遺族に謝罪する意向を示しました。
最終的に、阪急阪神ホールディングス(宝塚歌劇団の親会社)と遺族は、ハラスメントや安全配慮義務違反を認める合意書を締結し、会長が遺族に謝罪しました。ただし、個別の行為については、歌劇団側と遺族側の間で見解の相違が残っている状況です。
パワハラ内容
宝塚歌劇団のある劇団員が経験した厳しい状況をリスト化しました。
- 劇団員が拒否したにもかかわらず、先輩によって強制的に髪を巻かれ、額にやけどを負った事件。
- やけどを負わせた後、先輩からの真摯な謝罪がなかった。
- 髪飾りの作成など、深夜まで続く過重労働を強いられた。
- 新人公演の批評で、人格を否定するような発言を受けた。
- メディア報道後、先輩に呼び出され、厳しい尋問を受けて過呼吸になった。
- 劇団の上層部が、やけどの事実を完全に否定した。
- 睡眠時間が1日3時間程度という、極端に長い労働時間を課された。
- 所属していた宙組の責任者から、更に過剰な要求がなされた。
- 「お声がけ」の習慣が復活し、厳しい要求が加えられた。
- 演出家から、実行不可能なほどの仕事が課された。
- 配役表の公開前に、2日続けて厳しい叱責を受けた。
- 「振り写し」について、大声で公然と叱責された。
- 下級生のミスを全て自分の責任だと言われ、繰り返し叱責を受けた。
- 「お声がけ」について、連続的に詰問や叱責、罵倒を受けた。
これらは、劇団員が直面した困難な状況の一部であり、彼女の命を奪うに至った深刻な問題です。
関係者(加害者)
あくまでネット上での話であり、真実は当事者達にしか分かりません。そのことを承知の上でご覧ください。
https://nanakamado.net/takarazuka-pawaharaijime
この記事に詳しく記載されていましたので参考にしてください。
歌劇団側の対応
歌劇団は遺族に対して、慰謝料として「相当額の金員を支払う」という内容で合意しています。パワハラをしたとされる上級生らも遺族に謝罪する意向を示していることが分かりました。パワハラ加害者に対する処分にあっては現在のところ詳しいことは不明です。
なぜパワハラが起きてしまうのでしょうか。遺族の気持ちとしては、お金をもらったところで心の傷は一生残るでしょう。お金で命は買えません。生温い形だけの再発防止策でなく、加害者側に徹底した罰を課すことが、パワハラの抑制に重要かと筆者は考えます。
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